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2019年 01月 02日
12月12日 水曜日 ベッドの頭の方の壁にホワイトボードが貼ってあって、そこに患者のフルネーム。看護師さんもその他のスタッフもいつも名前で呼んでくれた。薬が出る際は自分で苗字と名前、両方と生年月日を言わなくてはいけない。今の家に引っ越してきたときにうっかりオットの名字で診療所に登録してあったのだけれどそっちでよかった。ずっと短いから。パスポートの苗字は日本の戸籍の苗字だけれど通院中も今も誰にも何にも言われず。 病棟に灯りがはいるのが朝の6時半か7時ごろ。その頃には大体目が覚めているしなるべくベッドから起きて椅子に座るようにしていた。その方が食事も食べやすいし水も飲みやすい。何より多分その方が身体に良いのでは、と言う気がしてなるべく椅子に座っていた。友人が送ってくれた色鉛筆と塗り絵のセットがあって、カニュラの入っている手でも塗りやすいポケットサイズ。椅子に座って、折り紙と塗り絵と日記。合間に血圧計測だの栄養士さんによる食事指導だの回診だの。そして最大の難関である食事。 麻酔の味が抜けるまで何日もかかるから、と言う友人が何人かいていったいどういう意味かと思ったのだけどつまり味覚や口の中の水分の具合が戻ってくるまでしばらくかかるという事だったのだと後で思い当たった。それでも術後3日目の木曜の朝には何とか朝のトーストとシリアルはほとんど普通の味になり、マンチェスターらしくたっぷり濃く入ったお紅茶も美味しく飲めるようになった。昼のサンドイッチが手強かったのだが金曜日の昼ごはん、隣のベットのおばあちゃんがサラダのレタスを食べきれないから、と分けてくれたのをサンドイッチに挟み込んだらあら不思議。飲み込みやすくてサンドイッチ完食。 医療関係の人でも、患者の気持ちに添える人と他の事が先に気になる人といるんだなぁと思う。ドレーンチューブのバッグ。自分の寝間着に着替えてから『漏れ』が顕著に気になる。何人かの看護師さんにちょっと濡れちゃうんですけど、と言ったのだが単にわき腹とチューブの接合部の絆創膏みたいなものを張り替えてくれる人が多かった中で、一人『もっとぴったりしたストーマバッグに変えましょう!頼んでおくわ。』と言ってくれた看護師さんがいた。ドレーンから出る液体を入れておくバッグ、これがあまりにも大きくてぶらりぶらりとしていて歩く時にもなんだか邪魔であった。理学療養士の人が『普通に歩けるか、そして、階段をちゃんと上がり降りできるか』の確認に来た時に『普段からゆらゆら左右にぶれて歩いてました?』と真面目に聞くのでこちらもついつい『手術前はこういう重たい袋がついてなかったんで普通に歩いていたんだと思うんですけど。これすごくぶらぶらするんです。』と返事して笑われた位である。ちなみに階段までは車いすで連れていかれたけれどテストは無事に一回で合格。一人で歩く練習してもかまいませんからね、との由。ストーマと言う言葉だけれど人工肛門だけではなくて身体に穴があいて何かを出せるようになっている場合、総称としてストーマ、と言う様であった。で、ストーマパウチタイプに代わってからは袋が身体に沿っていることもありぐっと楽になった。接着面とそれから面板があって、面板と袋が一体化しているタイプ。液体専用で袋の底には栓がついていて液体を抜けるようになっている。これをつけてもらったのが金曜日。でも液体が漏れて濡れて気持ち悪いんですけどと自己申請しなかったらどうなっていたのかしらんとちょっと思うのであった。 執刀担当の先生は木曜日にもやってきて退院は土曜日でどうかなとおっしゃる。『僕は明日はお休みなんだけど土曜日にまた来るからね!ちゃんと歩くんだよ!』と先生。手術前にも大体5日から1週間で退院とは言われていたけれど、おなかはガスでぽんぽこりんだわ、夜中にいろいろ痛んで何度も目が覚めるわ、わき腹から出ているドレーンからはまだまだ何やら出てくるわ、と言った塩梅で本当に土曜日に家に帰っても大丈夫なのか、とちょっと不安。でも水曜日には『この調子なら金曜日に退院でも』と言っていらしたのが土曜日に延びたわけだし自分の意見を述べるのは土曜日で大丈夫。 夜中目がさえ、おなかの中のどこかがじくじくと痛んで眠れないと焦っても、朝になれば気持ちがしゃんとするのは不思議なもの。同じ病棟の人とおはようとあいさつを交わし、にっこりしてスタッフの人やら隣のベッドの人と言葉を交わしているとと元気が出てくるものである。 金曜日、毎日メニューを聞きに来てくれたいつも元気なお姉ちゃんが『金曜日だから!』と『金曜日のおとっとき』ポテトチップの小袋がたくさん入った袋を抱えてやってきた。この病棟の習わしだそうで『だからみんななかなか退院できないのよね!』と笑いながら。でもみんな嬉しそう。全部摘出ではないにしても膵臓を取ったら脂っこいものは避けなくてはいけないのでは?と思っていたのだけれど栄養士さんにも『なんでも食べて大丈夫。むしろ貴女の手術は胃袋や腸をいじらなかったのだからかえっていろいろ食べる方がいい。』と言われたのを思い出し、ええいままよと普段から好きな味のポテトチップを選ぶ。でも結局迷いが生じて夜、次男がお見舞いに来てくれた時に二人で一緒に分けて食べたのだった。
by Lionmidori
| 2019-01-02 01:41
| 膵臓日記
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